ヴぁー@コクェモモ

図書館へと向かう道の途中、女性に声をかけられた。淡い色のスーツを着た一見爽やかな感じの人である。


図書館での甘美な時間にケチをつけられた俺は自分でも気づかない程度に機嫌が悪くなっていたらしく、この時期に声をかけてくるのは厄介なタイプの勧誘に決まってる、どうせ憲法改悪がどうたらこうたらとか、人生について考えてみませんかとか、地球にはびこる悪にともに立ち向かいませんかとか言い出すんだろとか失礼なことを考えていたら、女性の口から出た言葉は意外とまともだった。


「私たちは太極拳をやっているサークルで…」


へえ、太極拳。確かうちの祖母も健康法として嗜んでいた。おばあちゃん元気にしてるかなあ。


「私たちは太極拳で奉仕活動をしているんです…」


思わず吹いた。なにすんのそれ?
好奇心が頭をもたげたが、猫を殺すタイプであるようだ。俺は「すみません、無理です」と(半笑いで)言いながら早足で去った。
いやあ、俺の想像力なんて及びもつかない変な人たちがこの世にはいるんだなあ。というわけでテニプリレポの続きです。二日に分けて書かないあたりが俺の良心だと思ってください。

<前回のあらすじ>
俺たちは思いつきで週末と電車賃と映画代と気力を浪費することにした。


さて、中華街散策はカットして早速映画の話をしようか。
映画館に向かう道中で気になったのは狂剣組織とかいう看板出した謎のお店くらいだしな。あれってライブハウスか?
今回行った映画館は地下につくられた小規模なもので、思わず「場末の」とつけたくなる衝動は「王子様」に「白馬の」とつけたくなる衝動に匹敵した。まあ実際に場末の映画館だったわけだ。そんな所であるから「テニスの王子様三枚」とカウンターのおばさんに告げるにはそれなりに恥ずかしかったのだが、この程度の恥はむしろ心地よくなってしまうT校合唱部の恐ろしさよ。
上映開始直前に後ろを振り返って眺めてみたところ、座席は3分の一程度しか埋まっていないようだった。客構成についてはあえて描写すまい。
自販機のありえない値段設定に突っ込んだりして暇をつぶしているうちに幕が開いた。なぜかこの時点で笑える。本編前の、妙に古い画質で送られる神奈川ニュースの時点で俺たちのテンションはすでに最高潮に達していた。6月から写真展開催とかそれ本当に今年の6月?
もうテンションが高すぎて本編冒頭の飛行機が下りてくるシーンで笑い声が漏れる始末である。この映画にネタしか期待していないことが伺える。あぁ、このヒロインらしき女の子は声が出ないんだね…スクライドの公式ファンブックの女性キャラ紹介欄をすべて「スクライドは男の物語なので女について語ることなど何もありません」で埋めた谷口監督を崇敬している俺は彼女の存在を華麗に忘却することにした。
青春学園に到着して先輩に喧嘩うって、レギュラーになって、手塚部長に激励されるあたりまでは原作といっしょ(だよね?)
映画オリジナルの部分は氷帝控えの檜垣さんとかいう人。ヒロインの人の親戚らしく、彼女の治療のためにテニスを続けている。こいつの強さの演出も青学のキャラよりもありえなくてまた笑える(日蝕が起きたときはどうしようかと思った)んだが、いちいち演出を思い出して書くのめんどいから全体の感想書くか。
結論から言って普通に楽しめる良質の映画だった。ネタにしようとしてごめんなさい。暗転のシーンとか普通にかっこいいし。ストーリーは当然単純だったし、ラストシーンの台詞(「まだまだだね」と「わたしの王子様」)に無理やり感が残ったけど全体のテンポはかなり良かったし。途中から笑うの忘れて見入ってしまったなあ。見に行ってよかった。
ところで、映画が終わり、さあ地上に上がろうかというとき、一人の女子が素敵過ぎるオチをつけてくれたんだった。


「生足がよかったよねー」


「えーっ」(智代アフターの鷹文ふうに)を連呼しながら階段を上がり、俺たちは正常な、清浄な世界に帰還を果たしたのだった。


ちなみにうちに帰ってその日使った金を計算してみたら、合計4444円だった(実話)。俺は楽しくなった。アニメのほうの劇場版も借りてみんなでみようぜ、夏合宿あたりで。


これから書くことメモ
1.立花隆ゼミ“INNOCENCEに見る近未来科学”・特別対談企画 / 瀬名秀明×櫻井圭記 レポ
2.車輪の国 感想(考察なんてかけるような力はありません)
3.日本の高等教育について
4.「サムデイ イン ザ レイン」ほかハルヒ関連の記事(すでに大量の記事がweb上にあるから俺が書く必要なんてないんだよなあ)

うわ疲れる。文章書くのは楽しいけど疲れる。書くの遅いし相変わらず下手だし。