喜緑江美里の陰謀@ちぇいさー

第三のヒューマノイド・インターフェースであり、未だに謎の多い喜緑江美里について考察する。


■作中での描写
ミステリックサイン」においてコンピ研部長氏の彼女として初登場する。
キョンが悩み相談のチラシを貼ったあと、行方不明である部長氏を探して欲しいとSOS団に依頼する。
しかし発見された部長氏は彼女などいないと喜緑の発言と矛盾したことを言う。
その後、「編集長★一直線」で生徒会長の書記として再登場。
生徒会長はSOS団に文芸部としての活動を行なうように要請。
この話において、彼女がヒューマノイドインターフェースであることが判明する。


ミステリックサイン」では直接的、「編集長★一直線」ではただ見ているだけ、という立場の違いはあれど、どちらの話でも、涼宮ハルヒに対して関心をわかせる事件を提示していることは共通である。


涼宮ハルヒハイペリオン
ここで「涼宮ハルヒの憂鬱」(以下ハルヒ)で同じヒューマノイドインターフェースである長門有希が読んでいた本「ハイペリオン」との関係性を考えてみる。
作品として類似点が多いことはタカアキラ氏が既に述べている。(参考


■テクノコアと統合思念体
かつてコメント欄で「朝比奈みくるとレイチェル・ワイントラウブが被る」と発言したが、他にもハルヒの中にハイペリオンをモチーフとしたものが見られる。
それがテクノコアと統合思念体である。
ハイペリオンにおけるテクノコアは実体を持たないAI群の集合体として描かれている。
この設定はハルヒにおける統合思念体と合致する。
また、サイブリットと呼ばれるテクノコアが作った有機生命体も登場する。
これも長門たちのヒューマノイド・インターフェースを彷彿とさせる。


ハイペリオンでは、テクノコアは「穏健派」「急進派」「究極派」の3つに分類される。


喜緑江美里は「究極派」?
この設定をハルヒに当てはめてみよう。
まず穏健派、これは涼宮ハルヒをひたすら観察することに徹底している長門有希に当てはまるだろう。
次に急進派、これはキョンを殺害するという過激行為に出た朝倉涼子に当てはまる。
そして残るヒューマノイドインターフェース喜緑江美里は究極派に当てはまりそうだ。


■究極派とは
ハイペリオン中では究極派はより完璧な未来予測を可能とする究極知性(UI)を産み出すことを目的としている。
そのためには自己犠牲も厭わなく、当然人類も不必要であれば排除する。


最もUIの生成は他の二派も願っていることでもある。


■まとめ:究極派喜緑江美里の目的
ハルヒにおける「究極知性」とはなんであろうか。
穏健派の長門、急進派の朝倉共に、方法は違えど涼宮ハルヒの「進化の可能性」に注目しているのは共通している。
つまり、ハルヒのおける究極知性とは涼宮ハルヒの「進化の可能性」であると考えられる。


そうなると、喜緑の目的は涼宮ハルヒを「進化の可能性」として成熟させることになるのではないか。
自らアプローチを行い、ハルヒの退屈を紛らわしているのも、これで説明がつくと思う。

2006/8/5誤字修正。