遥かに仰ぎ、麗しの の多分最後の記事


以下ネタばれ。ネタばれって書いた方が読んじゃう人多そうで楽しい。

『レビューの類は殆どライターさんが違うことをとっかかりにしているが、本来はゲームのパッケージに入っている情報は全て等価にかつ一まとまりに考えるべきだと思う』
と前回(いつよ?)書いたけれど、ちょっとこの書き方はまずったですね。訂正。
『批評を行おうと思ったらライターの存在に目を向けるのは必要不可欠だけど、ライターが違うことを根拠にあたかも「本校編」「分校編」なる二つの無関係な物語がたまたま一緒のパッケージに入っているだけであるかのように考えるのはおかしいと思う。』


まあ乖離が見られるのは事実なんですが。恐らくは、本校編と分校編の間にもっと密接な連関を持たせようとしたのだと思われます。壷を割っちゃって弁償がどうのこうのってエピソードがいい例で、分校編と本校編の(ちょっとわざとらしいくらいの)明確な呼応関係が見られるんですが、この最序盤の一幕以降に同様の関係は見られません。そんな細かいネタを二人のライターの共作でやるには時間やら何やらが足りなさすぎたのではないかと邪推しているところです。あと時間が足りないといえば絵もですね。登場人物が多くなる学園物のさらに長編。藤原々々の作業量が追いつかなくて、画面上の、引いては作品全体の密度が低くなっていることは否めないかと。
それでも本作には一応、やたら長いのに耐えられるのなら、やる価値はあると思うのですよ。
鳳華女学院の教師陣はホストクラブ並みの美男子ぞろいで、寮では生徒と教師が同居、外出日も生徒教師のペアが原則と、あからさまに生徒教師間の恋愛関係を煽る校則。実際暁先生に曰くここの教師は長く続かないことが多いとのこと。学校(とそのスポンサー)側の意図は何なのかといえば生徒の厄介払いなのだろうと予想されるわけですが、当の愛し合う二人はんなこと全く気にしちゃいないというこの爽やかさ!
超能力は出てこないし、悪役は悪役らしい*1し。
いまどき珍しい素直なギャルゲーでした*2。おすすめ。

*1:悪役にもそれなりの事情があるんだよ、みたいな話を気分で挿入した結果全体として何が言いたいのか解らなくなるよりはよっぽどまし。あともちろん邑那ルートはこの話の適用範囲外

*2:僕のプレイしてるのが偏ってるだけですか?