オーフェン東部編を読み直す。秋田禎信という作家は、技術もさることながら、(多少語りすぎなきらいはあるものの)テーマに向き合う姿勢の誠実さに於いてもラノベ界随一ではないかと思います。ラストでオーフェンが出した結論の真摯さ、崇高さ、ね。秋田禎信が周囲よりも抜け出ている点を探すとすれば、まさしくこの誠実さにあるのではないかと。
例えば、あー、貴子潤一郎なんて巧いくせに酷い作家で、物語(と、あとはまあ、技術を使う場)があればそれでいい、と思ってるらしく。『12月のベロニカ』の話ですけど、おいおい、そこで女神さま登場して喋りだしちゃうのかよ、みたいな。結局は胡散臭いっつーか、滑稽な小説になっちゃうっていう。