「負け組おんらいん」 @お子様

Syrup16g

Syrup16g




遅死から早くも3年近くが経過し、ついにラストアルバム。
ちなみにかなりスルメ、それはsyrup16g全部に言えることではあるのだが、今回は特にその味が強い。
ニセモノのPVだけ先に見てたので、神曲揃いを期待したのだが、2曲目から割とズコーっといってしまったのは事実である。


だが気がつけば脳内iPodでサビが流れるようになり、気がつけば口ずさみ、気がつけば1日4時間くらいsyrup16gを聞いている。
彼らの音楽を麻薬と評する人をよく見るが、実にその色が強い。
バンド名に砂糖なんて意味はまったくもってこめられていないが、まるで甘いものの依存性のように、私はこの音楽を手放せずにはいられない。


セルフタイトルということなのか、割と内に向けて歌われた歌が多い。
今までは大衆に対して何かをぶつけていることが多かった気がするが、イマジネーションや夢からさめてしまわぬようになど、明確にバンドや父親に対して歌われている。
解散に際しての、彼の気持ちが強く現れているようで、今までにない味が出ていることは事実だ。


ラファータなど、ちょっと編曲を加えればみんなの歌でも歌えちゃいそうな、綺麗な包容力のあるメロディー。
反して、自分のことをニセモノだと叫ぶ鋭利な刃物のような攻撃力。ここまで極端な2面性を持ったアーティストも珍しいものだと思う。
そこに飴とムチの原理があるのか、ファンは彼の音楽に惹かれる。


最後の日は、3月1日。
何を見せるのか。同じ音楽をやる身として、そこから一時的にせよ一生にせよ身を隠す彼らは、私にどんな姿を見せてくれるのか。
ただ、ただ楽しみである。