「負け組おんらいん」 @お子様

自動車学校の教官には正直悪い思い出しかないのだが、ただ一つ印象に残っている言葉がある。
仮免取得の時に教官に挨拶したら


「お、いい挨拶だな!いい挨拶する奴にはろくな人間がいねえんだ!挨拶でごまかすからな!」


それまでの自分にない考え方で、でも至極納得ができて、今となっては人の見方の基準の一つにもなっている




一昨年度来た新人は無能だった。
そもそも面接前の見学に来た段階で「あぁ、こいつは人に媚びるのがうまいタイプだ」と思って反対だったのだが、いかんせん人手不足だった。
顔立ちは整っている。それを生かして媚びるように挨拶をする。


コミュニケーションも一見うまいようで下手だった。
仕事に関係の無い雑談を振ってくる。
雑談というのには性質があって
?単純に話をしたい:「自分が話したいこと」「相手が話したいだろうと思われること」
?相互理解:「自分を知ってもらいたい」「相手を知りたい」
?情報交換
そのほかにもいろいろあるが、彼の雑談はそのどれにも当てはまらない。
沈黙を怖がり時間をつぶすだけの、コミュニケーションとしては超低級の雑談。
危険だ、と思ったけれど、仕事さえしてくれればいいと思って合わせるようにしていた。


私の教育方針としては
?1回目は無条件で教える。方法だけでなく、思考も伝える。思考の派生も伝える。
?2回目はヒントだけを出す。思考の過程も聞く。
?3回目は放っておく。メモをとっているのだからそれを見れば良いし「どこまで分からないのか」伝えてもらう
?4回目はキレる。強い口調で答えを教える。もうやってらんない。


ただまあ、会議の日程すら忘れる無能だったもんでたいてい?まで行く。
そしてある日、人を殺しかけた。そのことを報告せず業務終了後のチェックで判明した。
さすがに人命に関わるとなると時間をかけてお叱りするしかない。


すると、こう返ってきた
「お子様さんの言ってることは間違ってないって分かってるんですけど
 その言い方が嫌、というか、素直に受け止められないです」
分かっている。
指導の仕方が悪いのは分かっている。
あんたに嫌われているのは分かっている。
あんたが甘やかされたいのは分かっている。
ただ、人を殺させたくなかった。その一言を伝えたかったのに、よくも、まあ…。


彼に対しての情熱など一切消えて、そのあとまたミスを続けて、いなくなっていった。
そして今年入ってきた新人も、タイプは違えど人に好かれるタイプで、無能で、俺の時間を奪い取る。


ゆとり教育という言葉をあまり聞かなくなりました。
最近思うのは学校教育課程なんかよりも、親の未熟さなんじゃないか、と。
ここまで書いて眠くなったので寝ます。
教習所の教官のあのクソみたいな指導方法、ある意味合理的なんじゃないかと。