「負け組おんらいん」 @お子様

久しぶりにインド映画
きっと、うまくいくの監督主演コンビによる
pkを今更見ました。
アーミルカーンは本当にいい演技をしますね


ざっくりとしたあらすじは
宇宙人pkが地球に来て、宇宙船と交信する機械を地球人に奪われてしまい
それを取り返す話


宇宙人って、地球人を軽く凌駕する能力を持っていたりする作品が多いように感じますが
この作品において、pkは容姿や知性や運動能力はほとんど地球人と同じ
違うところは
手を繋ぐと相手の心が全てわかり、それ故に言葉を要さない(ただし、地球人と手を繋げば言語を学習できる)
宗教がない
体が頑丈
この三点


宇宙船と交信する機械を取り返すために、色々な人に相談をするpk。
「神に祈れ」
「神様に相談しろ」
と口々に言われ、神に救いを求める道を本気で追求する。


宇宙人の視点から
地球人の言語、嘘、そして宗教観に切り込んでいく作品です。
興行収入はきっと、うまくいくを超えており、期待をしてレンタルできました。良作なので是非。


以下、ネタバレ込みで印象に残ったシーンと感じたことを。


最後の地球再訪は、個人的には蛇足。


序盤の失恋シーン、
気付く人は気付くんだろうけど、
前フリとテンポで完全に叙述トリックに飲まれた。


pkが色々な宗教の道を歩むシーンは非常に印象的。
その場にいるどの信者よりも道を外れていながらも
神を求めるその行為は誰より本質的であったpk。
このシーンの完成度を高めたことが、観衆には対する完璧な問題提起になったように感じる。
数々の宗教施設もそうですが、街の情景だけでも異国感たっぷりで、ロケがとにかく素晴らしい。


討議前の失恋シーンは実に切なく
そこから続くテロは作品の完成を投げ出したかと思うくらい急展開だったが
むしろそれこそがこの映画の主題の一つであると気付かされる。


そして、全てが解決してからの帰還シーン。
最初で最後の嘘はただただ美しかった
手を繋げば心のやり取りができる彼らとは違い
心を言葉で覆い隠せる人類だからこそ成し得る愛の在り方。


いい映画でした。