食文化とビジネス@ちぇいさー

日本では毎年2月の中旬になるとチョコレートが店頭に並びはじめる。
そしてそれと同時にインターネットの掲示板やらブログやらでは「バレンタインデーにチョコレートを配るのは日本だけの悪習」「2月14日は平将門の死んだ日」などと同じ文章が並びはじめる。


平将門はどうでもいい。
問題はバレンタインデーにチョコレートを渡すのは悪習なのか、ということだ。


この風習は日本だけである。
元は1958年に京都のデパートで開かれたバレンタインセールが始まりである。
つまりはビジネス戦略から始まった。これがバレンタインをなくそうとする連中のそれっぽい理由としてよく使われているのはご存知だろう。


しかしビジネス戦略から始まったからといってその風習は間違ってると主張するのは愚かだ。
非常に似た「食文化」がある。土用の丑の日のうなぎだ。
この起源は諸説あるが一番有力なものを紹介しよう。
かの有名な平賀源内が儲からないうなぎ屋の相談を受けて、平賀源内が丑の日にうなぎを食べると夏負けしないという民間伝承をヒントに「本日丑の日」と書いて店に貼り出させた。
物知りな源内の言うことだから、とみんながうなぎを食べ、他のうなぎ屋もそれを真似てこの風習が定着した、というものである。


民間伝承を元にしているといってもその伝承はあまり知られていなかった。
そうでなければ既にうなぎを食べる習慣が定着しているはずだ。
それを広めて結果的に店が繁盛することになった。
これはまさに平賀源内によるビジネス戦略である。


バレンタインデーとは違って土用の丑の日は日本の食文化として定着している。
それどころか最近は土用の丑の日以外にもうなぎを食べる習慣を普及させようという運動もある。
アンチバレンタインデーが土用の丑の日も嫌っているというのは聞いた覚えがない。


もらえないからといってバカみたいな理屈こねるのはもうやめて、もらえるよう努力したらどうだ。



参考資料:
Wikipedia: バレンタインデー
Wikipedia: 土曜の丑の日