外国にいて来られない父を除く家族3人で2泊3日の尾瀬旅行に行ってきたのでたまにはアニメ以外の話題で日記を書いてみようと思う。


突然だが、「公権力を傘にきて善良な市民から搾取する悪の集団」というイメージの担い手は僕にとっては駅員である。なんで駅員で公権力なんだよと突っ込まれればその通りなのだが、警察でもないのに警察のような顔をしていることが問題なんだと声を…中くらいにして主張したい。
もともと電車というのは実に殺伐としていて、起きるイベントといえばDQNにイライラさせられることくらいな、如何に早くそこから脱出するかが唯一の関心事となるような絶望の場であることは周知の通りだ。そこで駅員の質が良ければまだ救いがあるのだが、残念なことに、駅員は客を相手にしているという自覚が最も低い職種の一つだ、と感じる。「ただの他人」以上の対応をしてくる駅員に会ったことがない。街中で道を訊かれてもああいう対応をするのだとしたら駅員の友人は欲しくないなといつも考えている。さらに最悪なのは、あの駅員は今日も明日もあの窓口で僕を待ち構えていて、そして僕の方も、今日も明日も同じ改札を通って通学しなければならないということだ(別の人だろとか言ってはいけない。奴らは群体だ)。嫌な思い出は蓄積していく。
まあ、要するに、学割切符を買う途中で駅員のぞんざいな対応に出くわした、という話なんだけども。
あとみどりの窓口も酷かったなー。なんで切符一枚発行するのにそんなに時間がかかるんだ。おそらく沼田が営業距離100キロ圏外であることを確認していたのだと思うのだが、窓口の人が紙の時刻表を開いたときには本気で驚愕した。


ところで今思い出したのだが、電車にも一つ楽しいことがあった。電波広告である。今回の旅行の出掛けに見かけたヒット作が帝京大学の広告だった。単純なデザインであり、まず太字のゴシック体ででかでかと以下のように書いてある。


帝京大学オープンキャンパスに参加した受験生の80%が帝京への入学を決めました」


既に名作の予感がぷんぷん臭ってくる。一体どんな無茶苦茶なレトリックを使って80%などという数値を算出したのだろうか。まあ80%の部分を無視しても既におかしいのでこの記事を読んでいる人の80%はオチには気付いていると思うけれど、案の定下のほうにこう小さく書いてあった。「今年度の帝京大学新入生2945人へのアンケートより」。それはレトリックとかじゃなくて単に詐欺って言うと思います、先生。


高崎のホテルで一泊して沼田へ。出発前に買っておいた『サマー/タイム/トラベラー 1』を、田舎を走る人気のない電車の中で静かに読む、というのは個人的にはかなりリッチな時間で、リッチって単語がすでに安っぽい気がするのはともかく、面白いものは面白いので時間は素早く過ぎ、気付いたら沼田に到着していた。ここでバスに乗り換え。待合室でおばちゃん達が「最近はホリエモンみたいな働かないで稼ごうって考える人がry」とか話しているのを聞いて、自分が今いるのが東京でないことを実感したりしつつ尾瀬へと向かう。バスの中から見えた「あかぎ信用組合」という看板から「闘牌伝説アカギ信用組合」とか一人で連想して面白がってた(ちょっと家族に振るには困難なネタである)。


鶴待峠から5時間ほど歩くと赤田代の民宿に辿り着く。シーズンはずれではあったものの、尾瀬は美しかった。もともと自然の中を歩くのは好きだったりする。さてしてもしょうがない描写は省いて、問題はその民宿である。あてがわれた部屋は相部屋でない代わりに大量に積まれた布団が部屋の3分の1を占領していて、まあ狭いだけならどうでもいいのだけれど、恐らくそれらの布団が洗ったり干したりとは無縁っぽいのには困った。うちはアレルギー性鼻炎の家系なのだ。特に僕はハウスダストへの耐性が大層低く、鼻水が止まらない状況に。さらに9時消灯という久しく忘れていた概念に従わなければならず、8時半に無理矢理寝たのはいいのだが、12時ごろ目が覚めてしまい、2時間半後に寝付けるまで本も読めない暗闇の中ぼーっとするという起きながらの悪夢を体験することに(全員そうだったみたい)。
眠りが浅くなったのか、普段めったに見ない夢を見た。内容はこうだ。プログラムの授業の課題で、受講者それぞれが提出したものに先生がコメントを付けた表がWebに公開されている。ところがその表の第一列は途中からいきなり学籍番号ではなく人名に切り替わっている。よく見るとそれらは全て声優の名前であり、提出内容へのコメントの代わりに、今期の各声優の活躍へのコメントが書いてある。田村ゆかりは低評価で、福井裕佳梨が高評価を得ている。そして浅野真澄の欄には「お前人の話聞いてないだろ」と書いてある…


さ・て、無事5時半に起床し、6時間かけて帰りのバスが出ている大清水へと向かう。前日の曇天とはうって変わって快晴だったので、尾瀬の景色も良く映えた。花がたくさん咲いている時期にまた来たいなと思いつつ、人が多くて気が滅入るだろうなーと思いついて鬱になったりしながら歩いていたら、タッチの差でバスに置いて行かれた。まあ皆疲れてたしあれ以上の速度では歩けなかっただろうからしょうがないよね、という言い訳をして(もちろん時刻表をちゃんと調べてきてそれに合わせて行動すればよかったのだ)、ジェラートなど味わいつつ45分後の次のバスを待った。土産屋には「尾瀬の恋人たち」なるケンカを売っているとしか思えない名前の菓子が売ってあって姉と二人で笑ったりした。終わり。
…全然旅の話っぽくないなあ。