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山岸涼子の同性愛観
異性愛=相手が自分と異なるからこそ愛する⇔同性愛=相手が自分と同じである(近い)からこそ愛する
屈折した母への愛→近親相姦、兄弟愛
同性愛に限らず、人の本質としての他者性(外見を裏切る内面性)をテーマ→近代小説の王道
『アラベスク』におけるセクシュアリティ
バレエ漫画として当時の王道を踏襲してスタート。
誰にも発見されなかった才能をコーチだけが見出す→コーチと恋に落ちる(異性愛作品としてのプロット)
しかし『ゲッシング・ゲーム』と同時進行で作品を描き、ゲッシング・ゲームのほうから同性愛的手法を見出す。
王道を外れた少女の純粋な愛(性要素の排除)へと路線変更。
ユーリの無能
少女マンガにおける典型的な男主人公であるにもかかわらず影が薄い←作者がこういったキャラを描くのが上手くない?
ユーリは恋の成就相手であると同時にバレエの上手さを決定する基準。
萩尾望都の同性愛観
同性愛が異性愛へといたる発達段階、少年少女の未熟で透明なエロス。
性愛の代替。:「ポーの一族」
永遠に遅延された性的未熟。吸血鬼(スペルマティックエコノミー?)のエロス→性器接触至上主義の否定。
『トーマの心臓』
トーマの「心臓」というタイトル=贖罪の死によって同性愛の痕跡を永遠に残す。